頭のけが|立川市柏町の「おおたか脳神経外科・内科」|脳ドック、MRI・CT検査、玉川上水駅徒歩3分

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頭のけが

頭を打ったとき

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頭を打った時には、脳にいろいろな変化が起こります。特に頭蓋骨の内側に出血が起きると生命に危険を及ぼすことが多いので注意が必要です。
このような頭蓋内出血の症状は、頭を打った後すぐ起こることも、1~2日、時には数日経ってから起こることも、またずっと遅れて数ヵ月も経ってから起こることもありますから、現在何も症状がなくても十分注意しなければなりません。

頭を打った後、元気だった人が急に死亡したりすることがあるのはこのような頭蓋内出血のためです。この頭蓋内出血は、頭蓋骨骨折とは必ずしも関係しませんから、頭の骨に異常がないからといって安心はできません。
なお、小さな子供さんは相当強く頭を打った時でも、症状が出にくいことが多いので、たとえ元気にしていても2~3日は目を離さないことが大切です。頭を打った後少なくても1~2日は安静を保ち、一人で外出したりしないよう注意して下さい。

下記のような症状が出現した場合は、すぐに受診してください。

  • 痛みが激しい時
  • 吐き気や嘔吐が何回も起こるとき
  • 意識がぼんやりするとき
  • 手足がよく動かしにくいとき
  • ひきつけ(痙攣)をおこしたとき

子どもの頭のけが

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子どもが目を離した隙にベッドから落ちる、遊具から落ちる、といった経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか。
大人に比べると子どもは体に対しての頭のサイズが大きいため転びやすい体型です。しかし、とても頑丈な頭蓋骨の中に脳が入っているため少々の外傷で大事にいたることは少ないといえます。

もし頭を打った後でも意識があり、名前をはっきり言うことができる場合には急いで救急車を呼ぶほど慌てる必要はありません。名前、場所を混乱してしまうこともありますが話をすることができている場合には脳そのものに大きな障害がある可能性は低いでしょう。

また、頭をぶつけたあとに嘔吐をしてしまうこともあります。 子どもの嘔吐は中枢が敏感なことが影響しています。頭をけがした後に飲物や食べ物を与える場合には少し時間をおいてゆっくりあたえることをお勧めします。

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頭をぶつけてたんこぶができる、これは頭皮の下の血管が切れて血液がたまるとできる打撲の痕です。
しっかり抑えることで血管からの出血を抑えることができるのでたんこぶができた場合には冷やしながら抑えてください。1~2週間かけて吸収され良くなっていきます。 ただし、大きなたんこぶ(2歳未満で3cm以上)ができている場合には、頭の中に出血をしている可能性を考えるため病院を受診することをお勧めします。 

頭をけがしたときに傷口から出血が多くびっくりすることもあるかもしれません。頭皮は血流が豊富なため、裂けると出血がひどくなります。切れてしまっているような傷口の場合には出血をとめるために縫合が必要になることが多くあります。時間がたつと傷口もつきにくくなるため6~8時間以内に病院を受診し処置をしてもらうことをお勧めします。 

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お子さんが頭をけがされてすぐに救急車を呼ばなければいけない状況、これは意識がないときです。
泣きもせずそのまま意識を失っている、呼びかけにも反応がない、けいれんを起こしているという場合には速やかに救急車を呼んでください。耳や鼻からサラサラとした血、液体が出てくる場合も脳に損傷がでている可能性があるので危険です。 

また、骨が頭の内側に落ち込むような骨折(陥没骨折)や複雑に頭蓋骨が割れてしまうような骨折の場合には手術の必要があります。
なお重症なものでは1時間以内に症状が現れるようになります。強く頭をぶつけた場合には6時間以内に病院を受診するようにしてください。

頭のけがから起きるひび・骨折

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脳は頑丈な頭蓋骨で覆われていますが、頭をぶつけることで頭蓋骨を骨折することがあります。骨折といってもいろいろな種類があり、場所によっては出血をともなうこともあるので注意が必要です。 

単純な線状骨折、いわゆるひびがはいってしまった場合には、自然と治るのを待つのが一番の治療となります。けがをして1週間程度はひびだけでなく出血がひどくなってこないかなど経過をみる必要があり、1週間程度の入院でCTをとりながら経過をみることもあります。

骨が固定されるまで自宅での生活では、食事の制限や仕事を休むといった大きく生活を変える必要はありません。一般的に骨が落ち着くまでには3週間~1ヵ月程度かかります。しっかりと固定されるまでには3ヶ月ほどかかりますのでその間はあたまに衝撃がかかるようなことは避けるようにしましょう。  

頭がへこんでしまうような陥没骨折や複雑骨折といった脳に影響がでてしまうような骨折の場合には手術が必要になります。パンダのような眼になっていたり、耳のうしろにあざがある場合には、頭の中で出血が生じている危険があるので早めに医療機関をご受診ください。

後遺症として起こる症状について

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頭にけがをした、ただその直後は何もなかったのにもかかわらず、後になってから症状が出てくることがあります。場合によっては、1~2ヵ月ほど経過した後に頭痛、嘔吐やしびれ、ろれつがまわらないといった症状がでてくることがあります。 

けがをしたときに大きな出血がなかったとしても、じわじわとした出血が続くことで頭蓋骨の下にある脳を覆う硬膜と脳の隙間に血がたまっていくことがあり、慢性硬膜下血腫といいます。

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高齢になると脳が萎縮してくるため少しの出血ではわかりません。
血のかたまりを血腫といい、けがをした直後にはわからなかった血腫が少しずつ大きくなっていくことで脳を圧迫し、慢性硬膜下血腫の状態で発見されます。

このようなことから、頭痛やろれつがまわらない、意識がなくなるなどの症状で病院を受診し、CTなどの画像検査で血腫がみつかり、その原因を探ってみたら1ヵ月ほど前に頭をぶつけるようなことがあったというのが典型的です。

また、頭をけがした直後の画像検査では明らかな血腫がなかったとしても、念のために1ヵ月後のCT検査を行うことで発見されることもあります。その際には血腫を取り除く治療を行うことで通常の生活にもどることができます。

頭のけがをした際に、脳を損傷してしまうこともあります。これを脳挫傷といいますが、この場合は頭を強く打ったことにより脳の組織が破壊されてしまいます。脳の出血を伴うことも多いため出血量が多いと脳浮腫となり死にいたることもあります。

軽症であれば後遺症が残らずに住むこともありますが、脳挫傷では脳組織が破棄されており、重症なものでは脳の構造に支障があるため後遺症が残りやすくなります。そのため、手足や顔面にしびれがみられたり、人格そのものが変わってしまう方もいます。そのほかにも、記憶力に支障がでてしまったり、集中力が保てなくなったというような高次機能障害とよばれる症状が残ることがあります。

このほか、頭にけがをした後からけいれんを繰り返すようになる外傷性てんかんを患う方もいます。

頭部外傷による主な疾患

脳振盪(のうしんとう)

脳震盪とは、転倒や外傷などの直接的な頭部への打撃により脳が大きく揺さぶられ、一時的に起こる脳の機能障害のことです。
ラグビーやアメリカンフットボール、ボクシングなどの身体の衝突や衝撃を避けられないスポーツなどでよく起こるとされています。また、転倒などで頭部から倒れた際に頭部を打ち付けることでもこの脳震盪は起こりやすいといわれています。
症状は急激に現れ、自然に消えていくとされており、脳の器質的損傷より脳の機能障害が原因であることが多いため、一般的にはCTやMRIなどの画像上では異常所見はみられないとされています。

頭蓋骨骨折(ずがいこつこっせつ)

頭蓋骨骨折とは、脳を取り囲む骨が折れることです。頭蓋骨骨折は動脈や静脈を傷つけ、脳組織周囲の空間に血液が漏れ出すことがあります。頭蓋骨骨折が起こると、頭蓋骨骨折のない頭部外傷よりも脳に与えるダメージは大きくなります。しかし、頭蓋骨を骨折しても、脳まで損傷しないこともしばしばあります。特に頭蓋の後部や底部を骨折すると、脳を覆っている髄膜が破れます。まれに、骨折部位から細菌が頭蓋内へ侵入して感染症を起こし、脳に重大な損傷を与えることがあります。場合によっては、折れた頭蓋骨の断片が脳を圧迫して傷つけることもあります。このような骨折を陥没骨折といいます。頭蓋骨の陥没骨折では、脳が環境中に露出して異物に触れることで、脳内に感染症が生じたり、膿瘍(膿のかたまり)ができたりすることがあります。

脳挫傷(のうざしょう)

脳挫傷とは、頭部への直接的な強い打撃による脳の打撲状態を指します。
脳挫傷からの出血と、挫傷部とその周囲の脳がむくんでくるため、頭蓋骨の内側の圧が高まり、激しい頭痛、嘔吐、意識障害が現れます。脳挫傷の局所の症状として、半身の麻痺、半身の感覚障害、言語障害、けいれん発作などが現れることもあります。 多量の血腫ができた場合や、脳浮腫による圧迫で脳ヘルニアの状態にまで進行すると、深部にある脳幹が侵され呼吸障害などを起こし、最終的には死に至ります。脳挫傷からの出血によって脳内血腫をつくる場合は、受傷直後に症状が現れることがほとんどですが、高齢者では遅れて血腫が増大することがあるので注意が必要です。

慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)

慢性硬膜下血腫とは、頭部外傷後慢性期(通常1~2ヶ月後)に頭部の頭蓋骨の下にある脳を覆っている硬膜と脳との隙間に血(血腫)が貯まる病気で、血腫が脳を圧迫して様々な症状がみられます。

急性硬膜外血腫(きゅうせいこうまくがいけっしゅ)

急性硬膜外血腫とは、頭蓋骨と頭蓋骨の内側で脳を包んでいる硬膜の間に出血がたまって血腫になったものです。多くの場合は、硬膜の表面に浮き出たように走っている硬膜動脈が、頭蓋骨骨折に伴って傷ついて出血し、硬膜と頭蓋骨の間にたまって硬膜外血腫になります。そのほか、出血源が硬膜の静脈(静脈洞)の場合もあります。

急性硬膜下血腫(きゅうせいこうまくかけっしゅ)

頭部外傷後、硬膜の下に短時間に血がたまります。急性硬膜下血腫発生の原因のほとんどが頭部外傷によるものです。最も典型的な発生のしかたは、頭部外傷により脳表に脳挫傷が起こりその部の血管が損傷されて出血し、短時間で硬膜下に溜まるというものです。その他、脳自体の損傷はあまり強くなく、外力により脳表の静脈や動脈が破綻して出血するものもあるとされています。受傷機転は転落、交通外傷、殴打などであり、あらゆる年齢層にみられますが、とくに高齢者に多くみられます。小児ではまれですが、虐待による頭部外傷では比較的多くみられることが知られています。また、若年者ではスポーツ中の頭部外傷の際にみられることもあります。

外傷性クモ膜下出血(がいしょうせいくもまくかしゅっけつ)

脳を包んでいる髄膜の3層のうち、硬膜の内側にある薄いくも膜と脳の間に出血が広がったものです。外傷性くも膜下出血では、激しい頭痛、吐き気や嘔吐、意識障害などの症状が表れます。その程度はくも膜下腔での出血量と相関すると言われ、出血量が多い場合にはこれらに加えて意識障害や半身麻痺、言語障害、けいれんといった症状が表れる事もあります。また、命に関わる重篤な状態になることもあります。 外傷性くも膜下出血の治療で手術が行われる事はあまりありません。それは、くも膜下に出た血液は自然と吸収される事が多いためです。ただし、外傷によって頭蓋骨内の圧が上がってしまっている場合には、それを解消するための治療が行われます。これには薬剤等による内科的アプローチや、頭蓋を切除するという外科的アプローチなどがあります。どちらを採用するかは個々の場合によりますが、これが発生するのは深刻な状況と言えるため、他の症状より優先的に対応される事が一般的です。