脳卒中|立川市柏町の「おおたか脳神経外科・内科」|脳ドック、MRI・CT検査、玉川上水駅徒歩3分

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脳卒中

脳卒中の概要

脳卒中とは、脳の血管に異常が起きたことで発症する脳の病気です。
脳卒中は大きく分類すると脳梗塞、脳出血、そしてくも膜下出血に分類されます。脳梗塞は脳血管が詰まることで引き起こされる脳の虚血状態を指しますが、それに対して脳出血とくも膜下出血は脳の血管が破れることで発症します。
このように脳卒中とは脳の血管が「破れる」、または「詰まる」両方が原因の脳の病気の総称です。

脳卒中の概要

血管が詰まる

脳梗塞

血管が詰まって、その先の脳細胞が壊死するなどの障害を受ける疾患
血管が破れる

くも膜下出血

血管のこぶ(動脈瘤)が破れくも膜下腔に出血をきたす疾患

脳出血

脳の細かい血管が破れて脳の中で出血

脳卒中は日本人の死因の中ではがん、心臓病に次いで第3位にランクインしています。そのため患者数は非常に多く、日本人にとって軽視できない病気の一つです。

脳卒中の症状

脳卒中の症状は、血管が詰まる、もしくは破れるに関わらず以下の5つが特徴的と言われています。

    脳卒中の症状

  1. 片方の手足や顔半分に麻痺や痺れが起きる
  2. 力は入るがまっすぐ立てない、歩けない、フラフラする
  3. ろれつが回らなくなる、思った通りに言葉が出なくなる
  4. 片方の目が突然見えなくなる、物が二重に見える、視野が欠ける
  5. 今まで経験したことのないような激しい頭痛に突然襲われる(くも膜下出血の場合)

これらの症状の特徴として突然起きること、麻痺や痺れが体の片側だけにあらわれることが特徴です。
脳卒中を起こした場合、これらの症状の中でひとつだけが現れることもあれば、いくつか重なって現れることもあります。

ご自身や周りの方にこのような症状が出た場合には、できるだけ早く医療機関を受診してください。

脳卒中が疑われる場合について

MRI

私ども脳神経外科医が診察し、脳卒中が疑われる場合は、頭部CTまたは頭部MRIなどの画像検査を検討します。

頭部CT検査では、CT画像で白い部分が出血部位と判断します。また脳梗塞は黒く映ると言われていますが、発症から間もない時間ではCTにははっきりと映らないことがほとんどです。

それに対して頭部MRIでは、拡散強調画像(DWI)で白い部分が脳梗塞と判断できます。またT2強調画像やFLAIR画像で出血や脳のむくみも判断できます。

頭部CTはMRIよりも素早く検査することができますが発症間もない脳梗塞は診断が難しく、対して頭部MRIでは発症間もない脳梗塞も脳出血も確認できますが、検査時間が長く、患者さんの状態によって検査が難しい場合もあります。

これらの判断は脳神経外科医によってどの検査が適切か、判断されます。
また脳梗塞の場合、詰まった血管を詳しく調べるために脳血管撮影を行うこともあります。

脳卒中の治療について

脳卒中の治療は原因疾患に応じて様々です。ここでは脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つに分けて説明します。

1:脳梗塞の治療

脳梗塞の治療のイメージ

脳梗塞の発症から間もない状態であれば、正常な脳組織を助けるために迅速な治療が必要になる場合があります。

脳梗塞に対する急性期の治療として、発症から4.5時間以内の患者さんにはt-PA静注療法という血栓を溶かす強い薬を使ったり、カテーテルを使った血栓回収術などがあります。

また、内科的なアプローチとして以下の方法があります。

  1. 血栓ができにくくするための抗凝固療法や抗血小板療法
  2. 点滴や飲み薬による脳の血流改善
  3. 脳梗塞後に発生する活性酸素を除去して脳の障害を予防する脳保護薬

患者さんの全身状態に合わせてこれらの治療を併用することもあります。

2:脳出血の治療

脳出血の治療のイメージ

脳出血の場合は出血の量と場所に応じて判断することがあります。
出血量が少なければ高血圧の治療や脳の腫れを抑える治療を行います。
一方で、出血量が多く、その人の命に関わる状態では手術で頭を開けて、直接血腫をとることもあります。
どのような状態で手術するのかはそれぞれの患者さんの状態や脳神経外科医の判断によります。

3:くも膜下出血の治療

くも膜下出血では、脳の血管のコブ、いわゆる脳動脈瘤が破裂することで発症します。そのため治療は脳動脈瘤に対する外科的治療が行われます。

くも膜下出血の治療

実際の治療では開頭手術によって、動脈瘤が再び破裂しないように金属性のクリップで動脈瘤を潰したり、血管内治療によって、カテーテルを使って動脈瘤の中にコイルを詰めて再発しないようにします。

どちらの手術が行われるかはその患者さんの状態や病院の設備、脳神経外科医の判断によってきます。

くも膜下出血について 詳しくはこちら »

脳卒中の後遺症について

脳卒中によって脳の血管が障害を受けるとその先に血液を届けることができなくなります。

その結果脳に酸素や糖分が行き渡らなくなるために、脳の細胞が死んでしまい(いわゆる壊死と言います)、その壊死の部位や範囲、程度によって様々な症状が出てしまいます。そして、その損傷された脳の部位によって、どのような後遺症が残るかが決まってきます。

現代の医療では一度死んでしまった脳細胞は再生しません。そのため脳卒中の後遺症に対しては、薬や治療で治す、というものではなく時間をかけてトレーニングを行なって残存している機能で補うように訓練することが主体になります。

脳卒中の後遺症について

脳梗塞の後遺症は大きく分けて運動障害、感覚障害、構音障害、そして高次脳機能障害の4つに分けられます。この中でも一部または全てが後遺症として残るかはその患者さんの受けた脳のダメージによってきます。

脳卒中の予防・二次予防について

脳卒中を予防するには、まず危険因子を可能な限り減らすことが重要です。

脳卒中の予防・二次予防について1

危険因子には、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、不整脈(心房細動)、喫煙習慣などが挙げられます(高血圧は特に重要な危険因子と考えられています)。こうした明らかな危険因子を持っている人は、医療機関を受診して、治療に努めてください。食生活をはじめとする生活習慣の改善も大切です。脳ドックの受診も、とても有効です。

現代の医療では一度死んでしまった脳細胞は再生しません。そのため脳卒中の後遺症に対しては、薬や治療で治す、というものではなく時間をかけてトレーニングを行なって残存している機能で補うように訓練することが主体になります。

脳梗塞の後遺症は大きく分けて運動障害、感覚障害、構音障害、そして高次脳機能障害の4つに分けられます。この中でも一部または全てが後遺症として残るかはその患者さんの受けた脳のダメージによってきます。

▶ 脳ドックとは

また、もし脳卒中を疑わせる症状(呂律がまわらない、片方の目が見えない、半身の手足が動かなくなった、など)が生じたら、たとえ軽くても、あるいは一時的なもので完全に回復したとしても、専門医への受診を急ぎましょう。「前触れ発作」(一過性脳虚血発作:TIA)を見逃さないことも、非常に重要です。

脳卒中の二次予防は、脳卒中に再びならないように再発を防ぐことです。代表的な脳卒中である脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の中でも、再発しやすいのが脳梗塞です。

特に発症後1ヶ月以内に再発することが多く、1年以内には約10%が、5年以内には約30%の人が再発していると言われます。
脳梗塞が発症した後、5年以内に再発する人は、3人に1人もいることになります。

脳梗塞の再発率

また脳梗塞の再発は、同じ場所に起こるのではなく、多くは別の脳の血管に、同じタイプの脳梗塞が起こります。

脳梗塞の再発は、最初の時よりも後遺症が重症になったり、新たな後遺症が起こったりする危険がありますし、後遺症の数が多くなれば、それだけ日常生活にも大きな支障が出てしまうので、脳卒中の再発を防ぐことはとても大切なことなのです。

脳卒中の予防・二次予防について2

当院では、脳卒中の予防、および二次予防(再発防止)に力を入れておりますので、こうした脳卒中の予防管理について、ご相談ください。